お日の森とは


お日の森のむかしといま
八王子市西浅川地区の山林は江戸時代から里山として地元住民から利用され、通称お日の森と呼ばれてきました。
お日の森江戸時代には雑木の混じった原野で育馬の飼料、田畑の肥料や茅葺屋根の茅の供給場所として利用されてきました。 明治以降、茅の必要性がなくなって来たために主として治山・治水ために植林された山となりました。そしてその管理は郡有林から旧淺川村に引き継がれ、現在は共有林として西浅川山林組合に至っています。 (西浅川山林組合長代行 井出浩介氏の「昔の浅川山林」より引用)
 
「くらぶ」が活動するお日の森は落葉広葉樹の森で面積は1.28ヘクタール(約70町歩)です。 薪炭材供給の里山として利用しなくなってから約60年間放置されていたので 萌芽成長した木は大木になり、下層にはアオキ、ヒサカキ、ヤブツバキなどの常緑広葉樹が生い茂って暗い森になっています。 「昔の沢にはいつも水が流れ沢蟹がたくさんいた。林の中では毎年キノコがたくさん獲れた。」と地元住民が語っていました。 現在でもアナグマやイノシシが生息し、小鳥も飛び交ってまだまだ里山の自然が残っている西高尾の森です。

お日の森からのメッセージ

お日の森の作業を始めた経緯
西浅川山林組合から東京都にお日の森(広さ1.28ha)施業活動の相談があり、NPO法人森づくりフォーラム様(以下森フォ)が関わることとなり、森フォ理事の松井氏が森林インストラクター東京会(以下FIT)に呼びかけ平成18年6月にフィールド調査。
現在お日の森入口ですぐ目に入りますお稲荷様はまったく見えない状況でした。
尾根のオオモミから沢沿いのルートは何処を歩いているのか分からないほどの状況でした。
平成18年9月に西浅川山林組合と森フォ間にて協定書を締結し、実作業はFITの原と山田(武)が窓口を担当することとなり、9月~10月に当時の組合長であったOさんとFITのメンバーで境界線(テープ張り)を確認して始まりました。
お日の森の基本の考え
1 市民のボランティアと組合が協働で整備をし、雑木山の復活。
2 都心住民の子どもたちの自然体験・学習の森づくり。
3 資産として美しい雑木山を将来に残す。
4 伐採木の有効活用。
O元組合長の後は井出組合長代理が引き継ぎ、同じ山林組合役員の峯尾さんのご協力を頂き現在に至っています。 トイレや道具小屋の作成では峯尾さんのご指導の賜物です。
 
お日の森くらぶ設立
お日の森も調査に入ってから5月で3年が経過しました。
平成20年3月で「多摩の森・大自然塾」も終了し平成19年10月に「お日の森くらぶ」を設立し平成20年1月から順調に活動を続けています。
お日の森の平面地図も会員の協力により作成頂き施行活動をするうえで大変役に立っています。 平成20年4月から協定書は西浅川山林組合とお日の森くらぶ間で締結しています。
今年度は44名のくらぶ会員のご登録を頂きました。(名誉会員1名)
ご参加頂きました皆様のお陰でジャングルだった状況から子供達や近在の方々が入れる状況が見えてきました。 今年度からは月2回の定例活動の他に第2土曜日に「作業部会」と「林型考える会(仮称)」も立ち上がり活動もより活発となってきました。
今後とも安全第一で基本の考えを念頭に施業を継続頂きたいと思っております。
今後ともよろしくお願い致します。
 
平成21年6月15日
お日の森くらぶ代表

山林組合からのメッセージ


当西淺川山林組合は、組合所有の山林の維持、管理、等を現在13名の組合員にて運営しております。
その1ヶ所がお日の森の山林で、皆様ボランティアのご協力を得まして整備されつつあり、山林から里山的な場所に 変えていきたいと思っております。
皆様、ご存じのとうり、ここ数十年来、山林運営には非常に困難な時代となり、叉この先についても展望が画けず 苦慮しているところであります。
 
東京都の面積の36%は森林です。 森林は、美しい豊かな国づくりの礎であり、近年では温暖化を防止するうえで 二酸化炭化の吸収源としての役割が期待されていますが、木材価格の低迷や、林業就業者の高齢化、後継者不足 等のため、手入れが行き届かず、放置されたままの森林が多くなっています。
 
現在東京都では、スギ花粉発生源の対策に取り組んでいます。
戦後の拡大造林施策により植えられた多くスギが成熟期に達しているため、飛散量が増えていることも一因とされて います。
都ではスギ材を伐採し花粉の少ないスギや広葉樹を植栽する事業(花粉の少ない森づくり運動)を推進して います。 しかし林業の再生化につながる、木材利用の促進、(建物の建築材、什器備品から消耗品に至るまで) 多摩産材の需要拡大、普及に努めて、林業の根本的な解決を早急に図ってもらいたいものです。
 
西淺川山林組合 井出 浩介

お日の森くらぶの基本的な考え


 
1.市民のボランティアと西浅川山林組合が協働で整備をし、かつての美しい雑木山の復元を図り、共有の資産として将来に残 します。
 
2.当山林は、都市住民の子どもたちの自然体験や学習の場に活用できることを目的とし、整備もその目的に沿った計画作りを行います。
 
3.当山林の整備・施業上、発生する伐木、残材等排出するものは、有効利・活用し、外部に出さずに林内で循環させて、生物の多様性ある森づくりを目指します。
 
4.このような森林をつくるために、山林組合、地域住民、市民のボランティアグループの協働のもと、次世代に受け継ぐために、あらゆる参加者の関係を大切にします。

■お日の森フィールド

JR高尾駅を降りてから歩いて約15分の所にお日の森があります。 ここにはまだアナグマや狸そしてイノシシが住んでいます。
沢もありますがいまではほとんど涸れており普通は水が流れていません。 過ってこの沢にはたくさんの沢蟹がいました。 森の中にはたくさんの蝶などの昆虫が飛び回っていました。
私たちは昔のような豊かな生物が生息できるような森への再生を目指して活動しています。

【くらぶの目的】

・60年間放置された雑木林を市民のボランティアと西浅川山林組合が協同で手入れすることにより、かつての美しい雑木林の復元を図り、共有の資産として将来に残す。
・都市住民の子供達や近隣住民の自然体験の学習や遊びの場に活用出来る事を目的に計画作りと整備を行なう。

【イベント参加申し込み案内】

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【活動場所】 

八王子市西浅川町156-1及び2(西浅川山林/通称“お日の森”)2.87ha JR高尾駅・京王線高尾駅 北口より徒歩約15分

【定例活動日】毎月 

■お日の森:第2火曜日&第4日曜日
■駒木野:第2土曜日